みたらし団子のみたらしはどんな意味?語源と由来は?
みたらし団子のタレを「みたらし」と呼んだり、大根、豆腐、ジャガイモにとろみのある醤油タレをかけた食べ物を「みたらし料理」と呼んだりします。一体、この「みたらし」は元々どのような意味で、何が由来で料理に使われるようになったのか説明しますね。
みたらし団子のみたらしはどんな意味?
甘いしょうゆタレやしょうゆ焼きした団子を「みたらし団子」となります。そして、この「みたらし」という言葉は、漢字では「御手洗」と書きます。なんだからおトイレのような響きですが、なぜ団子に使われるようになったのでしょうか?辞書によると、次のように説明されています。
1、神仏を拝む前に、参拝者が手を清め、口をすすぐための場所。
2、みたらしがわ・御手洗川の略
3、みたらしだんご・みたらし団子の略
4、みたらしえ(御手洗会)に同じ(の略)
参考:日本国語大辞典・小学館
みたらしの語源は?どんな意味?
こうして辞書を見てみると、「みたらし〇〇」と、団子か川か行事の略として団子に使われていることが分かります。そこで、みたらしの語源と意味を説明しますね。
・ミは御のことで尊称の言葉。
・タラシはテナテアラヒシ(手洗水)の約。
・ミタラシ(水垂)の義か。また御垂の義か。
参考:日本国語大辞典・小学館
御手洗は神社の一部?みたらしの語源!
御手洗とは、昔から神社の入り口で手を口を水で清める場所のことでした。別名で手水、手水舎と呼ぶこともあります。そして読み方を変えると「御手洗=おてあらい」と読む事もできます。
昔のトイレと御手洗!
トイレのことを、奈良時代にはすでに「厠・かわや」と呼んでいました。流れる水の上に設置されていたから「川屋・かわや」、家の側に設置されていたから「側屋・かわや」が変化したと考えられています。
現在は、一般的には厠という言葉でなく「トイレ」「お手洗い」「化粧室」と呼んでいます。この「お手洗い」は、用を足した後、手を洗う場所から来ています。神社の手を洗う場所と同じ字なのはそのせいなのですね。
神社の御手洗はなぜ必要?
神社は神聖な場所で、境内に入る前に身を清める必要があります。本来は水で体を清めて神事に当たりますが、参拝客の場合はそうはいきません。略式ではありますが、手と口をすすぐことで心身を清めるという意味になります。
こうして見ると、団子と神社の御手洗とは無関係の様です。それでは、みたらし団子のみたらしはどこから来たのでしょうか?
御手洗川とは?みたらしの語源!
実は、みたらしの語源は京都・下鴨神社にあるんです。この神社のそばを流れる御手洗川と、この神社で行われる御手洗会の説明をしますね。
御手洗川と御手洗会とは?
京都市左京区にある、下鴨神社の境内に「御手洗池」があって、そこから境内を「御手洗川」が流れています。この池と川を省略して「みたらし」と呼ぶ、これが辞書による説明です。
もう一つ、この神社の神事の一つに「御手洗会」という行事があります。昔は6月19日か20日~6月晦日(末日)まで、宮司達が御手洗川に足を浸して無病息災を祈りました。
現在は、7月の土用の丑の日に「御手洗祭」が行われていて、宮司だけでなく一般参拝客も御手洗川に足を浸して無病息災を願う行事が行われているのです。
みたらし団子と御手祭りの関係は?
御手洗会は、平安時代頃には下鴨神社の年中行事とし定着していました。この行事のとき団子を神饌として供えていました。のちに神社前の茶店でしょうゆ焼きの団子を売るようになったのが「みたらし団子」なのです。みたらし団子については「みたらし団子のタレの違い」をご参照ください。
つまり、みたらし団子の語源は「御手洗川」「御手洗池」「御手洗会」からつけられた名前なのです。
最後に一言
「みたらし」とはとろみのあるタレのことではないのですね。神社の行事や境内の池や川のことで、みたらし団子はそのときに売られた醤油焼きの団子のことなのです。現在はみたらし団子が変化して、とろみのある甘い醤油タレに変化したのです。