七夕馬や精霊馬はなぜ飾る?牛馬飾りの由来と行事との関係!
精霊馬や送り馬と呼ばれる、ナスやキュウリでお盆に牛馬を作って飾りますよね。また、一部の地域では、七夕馬という馬を七夕に作って飾る習慣があります。なぜ、何のために、夏のこれらの行事で馬を飾るのか説明しますね。
七夕馬の由来は?なぜ馬を飾るの?
七夕とは牽牛と織女のお話しが元になっている行事で、日本では彦星と織姫に作り変えられた行事というのは、ご存知の通りです。
いずれにしても、天の川が舞台となっています。それでは、なぜ馬が登場するのでしょうか?七夕馬は、なぜ、誰の為に飾るのでしょうか?
〇七夕馬とは?
東日本で多く行われている習慣で、7月6日か8月6日に、ワラや真菰(まこも)で作る馬の事です。ワラなどで作った馬を、七夕の竹飾りの下に、供物と一緒に置きます。七夕が終わると、川に流したり、屋根に乗せたりしています。
(参考:日本国語大辞典・小学館)
因みに、真菰とは全国的に分布しているイネ科で、水辺に生えてる植物です。英語ではワイルドライスと呼ばれています。
誰のための馬?
織姫と彦星の為の馬で、七夕の日にはこの馬に乗ってやってくる、この馬に乗って二人が会いに行きます。
精霊馬と送り馬!どうしてお盆に馬や牛を飾るの?
お盆に、ナスやキュウリで作って飾る馬の事を、「精霊馬/送り馬」と呼びます。他にも、麻幹(おがら)で作る地域もあったり、馬でなく牛を作る場合もあったりします。
※麻幹とは?
皮を剥いだ麻の茎の事。お盆の迎え火や送り火に使用したり、盂蘭盆のお供え物にしたりします。
なんのための精霊馬や送り馬?
全国的に行われている習慣で、お盆(七日盆)に先祖が家に帰ってくると考えられています。このときにご先祖様の乗り物が、ナスやキュウリで作った牛馬なのです。これを精霊馬と呼びます。
馬はご存知の通り乗り物です。牛は平安時代頃まで、公卿の乗り物を引く動物でした。いずれにしても「ご先祖様が行き来するときの乗り物」として飾ります。
どうして夏野菜で牛馬を作るの?
なぜ、ナスやキュウリで馬を作るのか解明されていませんが、夏に採れる野菜だからだと考えられています。また、牛も馬も乗り物という共通点があるだけで違いは解明されていません。
最後に……
七夕に飾る馬は織姫と彦星の為で、お盆に飾る牛馬はご先祖様の為に飾るという事ですが、他にも田の神様の馬という物もあります。地域的な習慣ですが、田の神様がこの馬に乗って田を巡るという伝承があって、荒神苗で馬を作るとか……。
※荒神苗とは?
荒神様に田植えが終わった報告をする行事で、田に植えた苗数本を抜いてきてお供えします。そのお供えする苗の事。