横浜の観光 三渓園の紅葉と重要文化財 その後の周辺観光
関東でお勧めの紅葉場所の一つ、
横浜の中心街から少し離れた場所に三渓園という庭園があります。
鎌倉や浅草ほど知名度は高くありませんが、
以外にも、この庭園には重要文化財の建物がいくつも残っています。
紅葉と一緒に庭園とこれらの建造物は
地方や海外からの横浜観光にはお勧めの観光地です。
横浜おすすめの観光 三渓園の紅葉
― 三渓園とはどんな庭園? ―
生糸貿易で財を成した原 三溪(本名:富太郎、1868年-1939年)が、
義父が所有している現在庭園のある横浜にて、
老築化の激しい古建築の収集と庭園作りを始めました。
1906年、現在の外苑部分を無料開園と同時に
古建築の移築増設も加速させつつ、茶会を開くなど、
庭園として世間から支持を得ていました。
しかし、1945年までに関東大震災と空襲で大被害を受け、
1950年頃、財団法人三溪園保勝会に庭園の大部分を譲渡して、
復興工事を始め、再度外苑の公開が始まりました。
約1世紀にわたって移築した古建築物は、
10棟が重要文化財に
3棟が横浜市指定有形文化財に
4棟の古建築物が建っている、文化的価値の高い庭園です。
― 東京の9庭園と異なると思うところ ―
東京都内の庭園は元々、天皇や将軍・大名ゆかりの地だったところが殆どです。
その後、実業家が手を施して、庭園として完成させていきました。
横浜の三渓園は実業家、原 三溪が始めた純粋な文化事業です。
― 営業時間と住所 ―
開園時間: 9am ~ 5pm
休園日: 12/29~12/31
入園料: 大人¥500、子供(小学生)¥200
年間パスポート:¥2500
駐車場代: 2時間まで¥500(30分毎に¥100追加)、最大1日¥1000
サービス: 車いすの貸し出し(無料)
園内ガイド(無料) 10am~12pm、1pm~3:30pm
住所: 〒231-0824
神奈川県横浜市中区本牧三之谷58-1
Tel 045-621-0634
※ペットの入場は禁止です。
盲導犬、聴導犬が必要な場合は除きます
― 紅葉おすすめ時期と情報 ―
紅葉は”日当たり”に大きく影響されるので、
園内の日当たり具合で各木の見ごろ時期が異なります。
園内、一斉同時に見ごろにはなりません。
イチョウ(銀杏) 11月中旬~12月上旬
モミジ(紅葉) 11月下旬~12月中旬
紅葉の後、楽しめる花の紹介
スイセン(水仙) 12月中旬~1月下旬
ツバキ(椿) 12月中旬~1月中旬
ブローシャーをどうぞ、英語も載せておきます。
画像をクリックすると別画面で見れます。
日本語 表
日本語 裏
英語 表
英語 裏
― アクセス ―
・電車とバスの場合
根岸駅 1番乗り場(市バス58・99・101系統) 本牧下車・徒歩10分
横浜駅東口・桜木町駅 2番乗り場(市バス8・148系統) → 本牧三溪園前下車・徒歩5分
元町・中華街駅 山下町バス停(市バス8・148系統) → 〃
・車の場合
首都高湾岸線 → 三渓園ランプ → 三渓園
保土ヶ谷バイパス・横羽線 → 新山下ランプ → 三渓園
高速湾岸線 → 本牧埠頭ランプ → 三渓園
※東京・羽田方面などからの下り線は三渓園で降りることはできません。
上り方面のみ降りることが出来ます。
※駐車場は正面入り口に隣接しています。
バス以外の予約はないので、
週末など混雑しているときは駐車場渋滞が予想されます。
周辺地図です
― 隣花苑 ―
このレストランは三渓の孫にあたる方が経営されている懐石料理店です。
三渓の長女の自宅でしたが、1963年に開業。
建物は、元静岡県廣瀬神社の神官の邸宅、
約600年前の足利時代の田舎家を移築したものです。
営業時間: 12pm – 8pm
定休日: 毎週水曜日、8/1~8/31、12/26~1/6
料金: ¥3500~¥18000のコース料理
長時間使用する場合は別途部屋代がかかります。
予約してから行くことをお勧めします。
045-621-0318
三渓園の重要文化財と秋から冬の行事
- 庭園内 重要文化財 -
昔の庭園内は内苑と外苑に別れていて、入場料も別でした
現在では内苑と外苑の2つの呼び名が残っています。
内苑
・臨春閣[重要文化財] 1649年建築
桃山時代に豊臣秀吉が建てたという説と
和歌山県岩出市にあった紀州徳川家の別荘、巌出御殿(いわでごてん)
という説があります。
・白雲邸[市指定有形文化財] 1920年建築
・旧天瑞寺寿塔覆堂[重要文化財] 1591年建築
豊臣秀吉が母のために建てた寿塔を覆うための建物
・月華殿[重要文化財] 1603年建築
徳川家康が京都伏見城内に建てたといわれています。
1918年に春草廬と共に移築
見どころの障壁画は、桃山時代の画家 海北友松作
・金毛窟 1918年建築
三溪が建てた茶室
・天授院[重要文化財] 1651年建築
1916年に移築
・聴秋閣[重要文化財] 1623年建築
徳川家光が二条城内に、春日局へ送ったといわれる建物です。
・春草廬[重要文化財] 桃山時代建築 (年数不明)
この茶室は織田有楽斎の作品と伝えられています。
九つの窓があるところから九窓亭と、呼ばれていました。
・蓮華院 1917年建築
・御門[市指定有形文化財] 1708年(宝永5年)頃建築
京都東山、西方寺にあった薬医門です。
外苑
・鶴翔閣[市指定有形文化財] 1902年頃
三溪が建てた、この庭園の始まりの家です。
関東大震災や空襲で被害を受けましたが、近年当時の姿に復元されました。
・林洞庵 1970年建築
・横笛庵 建築年不明
建物内に横笛の像が安置されていたことから横笛庵と呼ばれています。
横笛の像は、戦争の被害により現在はありません。
横笛の像とは、高倉天皇の仕えていた一人で、
平清盛(1118年~1181年)の従者、
斉藤時頼と悲恋に終わった女性を表した縁結びの像でした。
・旧燈明寺三重塔[重要文化財] 1457年建築
三溪園には、1914年に移築
・旧燈明寺本堂[重要文化財] 室町時代(1136年~1573年)建築
1988年(昭和62年)に5年がかりで移築・保存作業を行うことで復元されました。
・旧東慶寺仏殿[重要文化財] 江戸時代初期(1600年代前半)
鎌倉の東慶寺にあった仏殿で、1907年に移築。
・旧矢箆原家住宅[重要文化財] 】1750年頃
岐阜県、白川郷からダム建設に伴い、三溪園に寄贈されました。
1960年に移築。
・紅葉の古建築公開~亭と茶室(重要文化財 聴秋閣、林洞庵)
- 冬の行事 -
・重要文化財 聴秋閣、林洞庵の一般開放。
期間: 2015年 11月21日(土)~12月13日(日)
普段は閉め切っていて、中を見ることはできません。
また、ごく稀に貸し出しをすることもありますが、
外から中を見ることはできません。
どちらも小さな建物ですが、
荒天でなければ、この期間だけ窓を開放するので中を見れます。
・盆栽展 1月11日(日)~1月25日(日)
松柏類、花梨、椿、雑木などの盆栽、約50鉢の展示です。
また、この期間中は盆栽相談も受け付けてくれます。
※ライトアップは秋には開催されません。
桜や十五夜の季節などの見ごろに合わせて開催します。
期間も決まっていません。
横浜周辺と生糸のおすすめ観光
― 生糸の観光 ―
世界遺産に登録された群馬県富岡製糸場は、
三渓園を創設した原三渓が36年間経営していました。
富岡市や他の地域から集まってくる生糸を、
横浜の港から輸出していたので、
その道を”絹の道”と呼ぶようになりました。
横浜市認定歴史的建造物
・横浜生糸検査所
各地から集まる生糸の検査を行っていました。
現在は横浜第二合同庁舎として行政機関が入居している庁舎です。
・横浜正金銀行(1880年頃)、
生糸や茶などの輸出品と綿織物や毛織物などの輸入品を取り扱う、
外国貿易金融として誕生。
現在神奈川県立歴史博物館になっています。
・赤レンガ倉庫 (1900年頃)
旧税関事務所や旧横浜港駅プラットホームなどが残されています。
現在はレストラン、ギフトショップ、シルクスカーフなど取り扱う店舗のある観光地です。
・象の鼻パーク (1859年)
開港のとき波止場を建設しました。
しかし、波が高くても波止場の内側で荷の上げ下ろしが出来るよう、
再度弓なり状に作り直したこの形から”像の鼻”と呼びます。
・横浜開港資料館
開港50周年記念に建てられた建物です。
関東大震災で大きな被害を受けましたが、
現在は当時の状態に修復されました。
この様な時代背景の中、
原三渓は生糸で財をなしながら庭園を造り、
古い建築物を移築することで、文化遺産が現在に伝られるようなにりました。
― その他、観光 ―
地区によって楽しみ方が変わるでしょう。
・みなとみらい周辺:
ホテル・ショッピング街・美術館・国際催事場があります。
・赤レンガ倉庫周辺:
ショッピング街・遊園地・カップラーメン博物館・赤レンガ倉庫。
などがあり、イルミネーション観覧車もこの地域にあります。
・関内周辺:
元横浜生糸検査所・元横浜正金銀行・開港記念館、
象の鼻パーク・大桟橋など歴史的建造物があります。
ベイスターズ球場もこの地区にあります。
・山下公園周辺から港の見える丘公園周辺:
昔からある海沿いの公園。各種イベントが開催されています。
南側にはマリンタワーや石のステージを通って人形の家へ、
更にその南側へ行けば、昔の大使館跡地を通って港の見える丘公園へ、
行くことが出来ます。
・中華街:
山下公園周辺の南、関内周辺の東に位置します。
食事・お土産・食べ歩きなど、大陸アジアの雑踏を彷彿させる街並みです。
※ヨーロッパ、アメリカ方面から来る観光客は、
高層ビルが立ち並ぶ、ちょっと近未来的な街並みが興味を引くようです。
同じ横浜港周辺でも、行き先ちょっと変えただけで雰囲気がガラッと変わるので、
不思議な感覚に襲われるかもしれません。
三渓園のまとめ
開国から、横浜は国際都市として重要な土地でした。
日本の産業を大きく伸ばした生糸は、日本各地で経済効果と共に悲話も多数残っています。
その生糸を送り出す拠点、”横浜”には当時の面影と、
発展と共に文化活動を行ってきた庭園が残されています。
紅葉や庭園、重要文化財を見てから、生糸にまつわる観光でもいかがでしょうか?