菜種梅雨の意味と季節はいつ頃?梅雨との違いは?
梅雨を表す季語は沢山あります。雨が多いという意味で梅雨という言葉を使うことがありますが、その一つに「菜種梅雨」という昔から使われてきた言葉があります。その菜種梅雨はどんな意味なのか、また、梅雨とはどこが違うのか説明します。
菜種梅雨の季節はいつの事?
「菜種梅雨」という言葉は、聞いたことがあるような無いような言葉ですが、季節の言葉の一つとして定着しています。それでは、どんな意味なのでしょうか?
菜種梅雨ってどんな梅雨?
「菜の花が咲く時期に続く雨の季節の事を菜種梅雨」と呼びます。菜の花とは、アブラナ科の植物で、ナノハナは食用で、ナタネは種からとれる油の元として親しまれています。
菜種/菜の花の季節はいつ頃?
菜の花が咲く時期は「3月下旬頃~4月上旬頃」の、「春」の長雨時期となります。この花が咲く時期の長雨だから、菜種梅雨と呼ばれるようになりました。つまり、一般的な6月頃の「梅雨」とは全く関係がありません。
それでは、なぜ「梅雨」という季節の言葉が使われているのでしょうか?また、「梅雨」とはどんな関係があるのでしょうか?
梅雨と菜種梅雨はどこが違う?
先ず、「梅雨」とはどんな意味で使われているのでしょうか?感覚的には「季節」を指す言葉で、大体6月頃をイメージすると思います。もう一つ、「雨の多い」という意味でつかわれる場合もあります。
梅雨とはどんな意味?
「梅雨」は季節を表す言葉となります。もう一つ、雑説で梅雨入りの事を「入梅」、梅雨明けの事を「出梅」と呼んでいました。
昔の梅雨とはいつからいつまでの事?現代では?
江戸時代まで使われていた「二十四節気」では、「芒種」の最初の壬(みすのえ)の日が入梅、「小暑後」の最初の壬の日が出梅とされていました。それでは、現代のカレンダーに置き換えて見てみますね。
・夏至:6月21日頃~7月6日頃
・小暑:7月7日頃~7月22日頃
「6月6日頃以降の最初の壬の日 ~ 7月7日頃以降の最初の壬の日」
もう一つ、雑節は農業中心に考えられた暦なので、「田植え」の目安でもありました。
・1年で最も日が長い日の期間
現代の梅雨とはどんな意味?
5月下旬~6月上旬頃にかけて、雨を降らす前線が日本列島上空に停滞するようになります。この前線は、約1か月、南の温暖な気圧と北の冷たい気圧がぶつかり合って作られ、連日雨が降らせます。この「6月頃停滞する前線がある期間」を梅雨と呼んで、前線の名前は「梅雨前線」と呼ばれています。
梅雨と菜種梅雨の違いは?
現代の梅雨とは、少し紛らわしいのですが「梅雨前線のある期間」と「雨が多い時期」という、「二つの意味」で使われています。
つまり梅雨とは、江戸時代までの暦と雑節、現代の梅雨前線の停滞する期間、雨が多い時期、という意味が混ぜられて使われているということです。
それでは、この「梅雨」という言葉は一体どこから来たのでしょうか?
梅雨の語源はどこから始まったの?
梅の花の時期は2月下旬から3月頃。それでは、なぜ梅と雨が季節の言葉になったのでしょうか?
梅雨の呼び方は?
・五月雨・・・さみだれ(古語)
中国から伝わった言葉?
「ばいう」という、6月~7月頃にかけて降る雨を表す言葉が中国から伝わったと伝えられています。江戸時代に入った頃、呼び方が変化して「梅雨・つゆ」と呼ぶようになりました。
梅雨の語源は?何故「ばいう」と呼ばれたの?
梅雨の語源には、二つ説が伝わっています。どちらもそれらしいのですが、定説がありません。それでは、両方の説を紹介しますね。
雨が降りカビが生える時期だから「黴雨」という説
中国では黴(かび)の季節と、雨の季節を合わせて「黴雨」と呼びました。
日本では、丁度この時期に梅が熟す季節となります。
この「黴・かび/ばい」と「梅・ばい/うめ」の発音が同じところから、文字が入れ替わり「梅雨」になったという説。
雨が降る季節と梅が熟す季節が合わさった「梅雨」という説
最後に一言
一般的なイメージどおり、梅雨は本来6月頃の雨が降る季節の事ですが、日本の季節の変わり目には良く雨が降ります。そして3月~4月頃、菜の花が咲く季節の長雨の事が菜種梅雨となります。