初朔日と次郎の朔日とはどんな日?他にも2月の季語がある?
1年を通して様々な季語がありますが、2月には次郎の朔日と呼ばれる日があります。最近ではあまり使われなくなった言葉ですが、一部の地域ではまだ根付いている、次郎の朔日や同じ日だけ別な呼び方など、どんな意味なのか紹介しますね。
初朔日の季語にはどんな呼び方がある?
初朔日(はつついたち)とは何?
1年で最初の朔日のことを指しています。「えっ?1月1日は?」と思いますよね。
旧暦のお正月は1月15日、つまり旧正月を1年の始まりと考えると、2月1日が1年で最初に訪れる「1日= 一日・朔日」になります。だから、2月1日のことを「初朔日」と呼ぶんですよ。
初朔日は何をする日?
この日にお正月飾りを片付けたり、お餅をついたり、おはぎ(ぼた餅)や赤飯を作ったりしてお祝いします。また、農作業を休んで、正月より大きな鏡餅を作って神棚に供える地方もあります。
なぜなら、厄年の人が2月1日に改めて正月の儀礼を行う事で、1ヶ月だけでも早く厄年の期間を終わらせることが目的でした。
初朔日の他の呼び方は?
各地で様々な呼び方がありますが、最も一般的なのは「次郎の朔日」という呼び方になるでしょう。それでは、この次郎の朔日について、もう少しご紹介しますね。
2月1日と次郎の朔日はどんな日?
「次郎の朔日(ついたち)」とは、2月1日のことを指します。
先ほどご紹介した通り、この日には正月棚を片付ける地域が多くありました。そして「次郎の正月」と呼んで、餅をついたり赤飯を炊いてお祝いをします。また、九州地方付近では、団子を作る地域もあります。
次郎の朔日の他の呼び方は?
2月1日を「初朔日」とよびますが、この日のことは「次郎の朔日」とも呼びます。そして、他も各地で呼び方があるんです。
「太郎の朔日」
「迎え朔日」
「初朔日重ね正月」
「二の正月」
「ひとひ正月」
「取り越し正月」
太郎の朔日と各地での呼び方は?
「次郎の朔日」に次いで、「太郎の朔日(たろうのついたち)」と呼ぶ地域が多くあります。また、厄年の人や旧暦のお正月の片付けの他に、逸話も残っているんですよ。
九州の河童のお話
川太郎とは河童のこと、山太郎とは山童(やまわら)のことで、どちらも同じ存在で、山から川へ入れ替わることで呼び名が変わります。
そして、この2月1日は川太郎と山太郎が入れ替わる日といわれていて、刃物を外に出さないで、蔵や家の中にしまっておかないといけません。
なぜなら、山と川を河童が往復する通り道や河原に刃物を置いておくと、自分たちが襲われたと思って、後日河童が復讐にくるといわれているからなんです。
因みに、この川太郎と山太郎は、春には田の神様になるとも考えられてきたんですよ。
各地域での初朔日の呼び方
関東・・・次郎の朔日
熊本・愛媛付近・・・太郎の朔日
香川・・・ひとひ正月
岡山・・・ひとえ正月
淡路地方・・・迎朔日
山口・高知・大分・宮崎付近・・・ならび正月
長崎・・・初朔日
このように各地で呼び方は異なりますが、同じようなお正月行事もう一度行って、厄払いをしてきたひなんですね。
最後に一言
都市部では、知られていない習慣かもしれませんが、厄年の人や日本の年中行事に興味のある人は、お餅やお赤飯を食べてみてはいかがでしょうか?
折角の、昔からの日本の行事なんですから、形だけでも楽しんでくださいね。