酉の市の熊手はなぜ縁起物?飾り方と処分の仕方の案内
毎年11月になると酉の市という、秋を代表する行事があります。この酉の市では、なぜか熊手が縁起物として販売されているんです。
何故、熊手が縁起物で、購入したらどこにどうやって飾るものなのか、処分したいときの方法などについて紹介しますね。
酉の市の熊手はなぜ縁起物?
酉の市とは、東京の鷲(おおとり)神社で行われる秋の収穫祭のことで、1500年代にはじまったといわれています。
この収穫祭のときに農具が販売されていて、その一つが「熊手」なんです。
◇熊手のご利益とは?
この熊手のを「熊手御守」といって、開運・商売繁昌のご利益があるといわれています。また、「かっこめ」「はっこめ」といわれる、神様の御分霊といわれているんですよ。
別の説があります。昔は「熊手とは武具」の一つでした。戦勝の願掛けに鷲神社の訪れて、武具を立てかけた事が始まりだともいわれています。
◇購入の仕方は?
因みに、この熊手の買い方は現代の日本では珍しくて値段交渉をします。勿論、交渉をしてもしなくても構いませんし、熊手の質やサイズと値段の相場はある程度決まっていますよ。
大体2000円くらいから購入できると思っていればいいんじゃないでしょうか。高価なものだと数十万円ともいわれています。
なんだか、インドとかネパールのような買い物の仕方ですが、これが昔から酉の市で熊手を買う方法なんですよ。
購入するときは交渉も楽しみの一つと思って・・・・
「おじさん、この熊手いくらですか?」
「〇〇円だよ!」
「もうちょっとまけて・・・△△円で!」
と、このようにどんどん値段交渉を楽しんでくださいね。
商談が成立すると「イヨー・シャン・シャン!」と手締めが景気よく鳴らされて、お買い物は終了です。
◇値段交渉する?
もう一つ、熊手を買うときには習慣があるんです。値切った分の差額は「ご祝儀」として渡すといわれています。
でも、ご祝儀は決まりではないので、渡す義務はありません、気持ち程度渡すだけでも構いません。しっかり渡せば”粋”な計らいだといわれるでしょう。
この辺りは個人の好みなので、周りを見ながら決めてくださいね。
酉の市の熊手はどこに飾る?飾り方の案内!
お正月の飾りに近い感覚でお祀りください。ただし、他のお正月飾りと違うのは、「一年間飾る」事です。
初めて熊手を購入・・・暮れの28日にお祀りする
買い替えの場合・・・買ってきてすぐに新しいものに交換する
初詣などで購入したお札など・・・その都度お祀りします
◇熊手を祀るには?
家の中のなるべく高いところに飾って下さね。もし、家の中に良い場所がない場合は「北向きを避けて」お祀りしてください。
お祀りするのに適したところは、場所よりも方向が大切になります。
1、神棚にお祀り
2、北を背にして南向き
3、西を背に東向き
酉の市の熊手の処分の仕方
通常、正月飾りやお札などと同じように神社仏閣でお焚き上げしてもらいますが、この「熊手」は翌年の酉の市で納めます。
・浅草の「長國寺」と「鷲神社」の入口に収める場所があります。
・酉の市に行くときに、「前年の熊手」を忘れないように持参してください。
・よく分らないときは、長國寺や鷲神社で「熊手納めについて」と尋ねるといいですよ。
・古い熊手を収めに行かれなかったとき、付近のお寺や神社でお焚き上げしてもらってください。
・資源ゴミにとして、分別して処分して下さいね。
最後に縁起物の熊手について
縁起物の熊手を入手するとき、大きなものほどご利益があるとか、毎年大きくするとご利益があるなど、様々ないわれがあります。
勿論願掛けとして、毎年大きくしたり、豪華な熊手を購入したりする事に越したことはありませんが、大切なのは「毎年新しいものに変える」するということです。
それでは、今年も11月の酉の日の市を楽しみながら、熊手を買いに行ってきてくださいね。
・長國寺 〒111-0031 東京都台東区千束3-19-6
・鷲神社 〒111-0031 東京都台東区千束3-18-7