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接客用語の「こちら」「方・ほう」「から」は正しい敬語?

   


支払いで「〇〇円からお預かりします」、注文の品が揃って「ご注文のほう、お揃いでしょうか?」、砂糖を頼んだ時「こちら砂糖になります」、など聞きなれているけど、あれっ?と思われる、そんな接客用語の正しい使い方と、不思議な言葉の語源を説明します。
 

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接客用語のこちらの使い方と語源は?

聞きなれているけど不思議な接客用語の「こちら」は正しい敬語なのでしょうか?また、元々のこのこちらという言葉はどのようにして使われ、どうして接客で使われるようになったのでしょうか?
 

X謝った「こちら」の使い方
― カフェのレジで
 
客:「砂糖いただけますか?」
 
― カウンターの下から砂糖を出して渡す
 
店員:「こちら砂糖になります」
手やトレイに乗せて「こちら」もないし、選択する余地のない砂糖に対して「砂糖になる」という言い方は正しくはありません。
 

〇正しい「こちら」の使い方
― カフェのレジで
 
客:「砂糖いただけますか?」
 
― カウンターに砂糖や他の調味料がある
 
店員:「砂糖でございます」/「こちらに砂糖がございます」
もし、カウンターなどに砂糖やミルクや他の調味料がある場合、店員が手で示して「こちらが砂糖になります」と言う説明は間違っていません。
 

◇「こちら・此方」とはどんな言葉?

聞きなれない言葉ですが「近称の指示代名詞」と、「 一人称の代名詞」、「三人称の代名詞」という使い方に分類されます。

・話し手に方向を指し示す・・・こちらを向いて下さい
 
・現在いる場所を示す・・・こちらに来て何年ですか?
 
・近くにある物を指し示す・・・こちらもお試しになりますか?
 
・自分を指し示す・・・こちらはそれで構いません
 
・第三者を指し示す・・・こちらが夫(妻・兄弟・姉妹など)です
 
 

接客用語の方・ほうは正しい?語源は?

説明するときや、会話の中に「~ほう」をつけると、丁寧や優しく耳障り良く聞こえます。でも、丁寧になると勘違いした感覚から作られた言い方となります。
 

X謝った「ほう」の使い方
― レストランのテーブルで飲み物が無い
 
店員:「お水のほう、お持ちしましょうか?」
この様な時、「ほう」は必要ありません。ついうっかり「ゴロが良くて・・・」「言いやすくて・・・」と思われがちでしょう。一つしか無くて、変わり切っている物に対して「ほう」を使うことはありません。
 

〇正しい「ほう」の使い方
― レストランのテーブルで飲み物が無い
 
店員:「お水をお持ちしましょうか?
この様に「お水(を)、お持ちしましょうか?」で十分丁寧な言い方になります。他にも「おタバコはお吸いになりますか」「灰皿、お持ちしましょうか」「新しい取り皿、お持ちしましょうか」など、「ほう」がなくても丁寧語になります。因みに、二つ以上の選択肢がある場合、例えば「お水より、お茶をお持ちした方が宜しいでしょうか?」というときは有効です。
 

◇「ほう・方」とはどんな言葉?

最初に断っておきますが、感嘆するときの「ほほう」は意味が異なるので、今回は対象外です。「方」と書いて「ほう」と読む場合は、「接尾語、形容動詞、名詞」に分類される言葉で、次の様な使い方に分ける事が出来ます。

・方角を見るとき・・・「東の方に見える」「駅の方に~」
 
・複数を選ぶとき・・・「~の方が好きです」「こちらの方が良い」
 
・選択肢を曖昧に分類するとき・・・「どちらかと言えば強気な方だ」
 
・対処や方法を示すとき・・・「こうした方がやり易い」「連絡する方が良い」
 
・人や分野を示す時・・・「あのお方は~」「工学部の方に進む事にした」
 

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接客用語のからの使い方と語源は?

恐らく、レジで最も多く耳にする「から」。例えば「500円からお預かりします」のように「~からお預かりします」という言い方を耳にしたことがあると思います。「から」をつけた方が、より金額を強調されるような感じがするのかもしれない、勘違いされた使い方となります。
 

X謝った「から」の使い方
― 店員がレジで計算している。
 
店員:「合計1523円になります」
 
― 客が2000円支払う。
 
店員:「2000円からお預かりします」
この時、「から」という言葉を使うと、必要ないではなくて可笑しな日本語になります。他にも、例えば「1523円、丁度からお預かりします」とピッタリのときでも言うときがありますが、やはり必要ありません。
 

〇謝った「から」の使い方
― 店員がレジで計算している。
 
店員:「合計1523円になります」
 
― 客が2000円支払う。
 
店員:「2000円、お預かりします
この様に、普段の支払いのときには「から」という言葉を使う事はありません。例えば、競り(オークション)の様に、始まりの金額を説明するときには「2000円から~」という言い方は有効です。
 

◇「から」とはどんな言葉?

「から」という単語は、「格助接助準体助や準体助詞」という聞きなれない単語の分類や、他にも「接頭語」に分類される言葉となります。
 
因みに、格助接助準体助とは名詞・活用語の連体形に付ける言葉のこと。準体助詞とは名詞の代わりとして働く助詞のこと。

・起点を示す・・・「目から涙が落ちる」「9時から仕事が始まる」
 
・経由場所を示す・・・新宿で山手線に乗って、品川から東海道線」
 
・原因や理由を示す・・・「経理のミスから横領が発覚」「遅いから帰ろう」
 
・原材料を示す・・・「紙は木から作られる」「果物から作られてジュース」
 
・発端を示す・・・「列の先頭から入場してください」
 
 

最後に一言

こうして改めて文字で見ると、普段耳にする「から・ほう・こちら」の違いがお判り頂けたと思います。他にも間違った敬語がありますが、全てを上げるとキリがないので、今回は3つの不思議な敬語だけにしておこうと思います。
 
※参照:日本国語大辞典・小学館
 
 

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