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虫送りの時期と地域ごとの違い!サネモリサマとはどんな意味?

   


 
虫送りとは、豊作を願って祈祷、または虫を追い払う、稲作や農作物に関わる古い伝統行事の一つです。でも地域差があって、初夏・夏・秋など、別々な時期に全国各地で行われています。そんな虫送りの時期とどんな行事が行われるのか紹介します。
 

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虫送りの時期はいつ頃?何のための行事?

虫送りとは、虫を追い払う伝統行事の事です。この”虫”とは、主にウンカという害虫の事で、昔は西日本から南で被害が多かったと伝わっています。
 
ところが北関東から東北にかけて、涼しい気候のなるので虫の被害が西日本程、甚大ではなかったせいか、そんなに虫送りの行事は盛んではありませんでした。
 

何のための行事?

稲や農作物につく害虫を追い払う祈祷行事のことですが、一部の地域では、虫が寄り付く前の時期にこの行事を行います。これが豊作祈願や五穀豊穣祈願に繋がっていると考えられています。
 
また、一般的には「虫送り」と呼びますが、他には「虫追い」「虫祈祷」「サネモリオクリ(実盛送り)」「ウンカ送り」など、別な呼び方も地方ごとで定着しています。
 

害虫被害とは?

江戸時代の1732年に起こった享保の大飢饉も、虫が原因だったと伝わっています。ウンカ、イナゴなど対策が無かった頃は大被害に会っていました。江戸時代後半、鯨油を使うようになってウンカの被害が減るようになりました。
 

虫送りの時期はいつ頃?

虫送りは大きく分けて3つの季節に行われています。地域ごとで目的が異なるから、時期も異なるんです。
 
●田植えが終わる頃・春頃
田植えの時期は地域差があります。例え九州では3月中旬頃から始まり、北アルプス山麓では5月中旬頃始まります。共通するのは、田植えが終わったら豊作祈願=虫が寄り付かないようにする行事を行います。
 
●初夏
七夕前後、また本格的な夏が来る前に行います。これから稲に実がなり始める頃、稲の花が咲く頃行います。やはり豊作祈願や五穀豊穣という行事になります。
 
●秋
稲の花が咲く頃が初夏ですが、この頃から害虫被害・ウンカが盛んになります。現在では、初夏~夏ですが、旧暦では秋になります。また、実がなる頃はイナゴの被害を防ぐために秋に虫送りを行うという地域もあります。
 

虫送りはいつ頃減少するようになったの?

大蔵永常(おおくらながつね)が「除蝗録」(1826年)に、鯨油を使ったウンカの駆除方法を記載されていて、世に普及し始めます。鯨油を水田に流して水の表面に油膜を作り、ウンカを窒息させるという方法でした。この方法が普及してから被害が激減したとあります。
 
近代に入ってから薬の散布が行われるようになってからは虫被害が更に激減、それに伴い虫送り行事も減少していきました。
 
 

虫送りに地域差はある?

防虫対策が進歩したためこの行事が廃れたと紹介しましたが、行事方法や内容は統一されていません。だから、地域ごとで減少理由は様々です。それでは、どんな方法が行われているのでしょうか?
 

地域ごとの違いの例は?

共通しているのは、焼き捨てる、流して外に追い出す、村の外に追い出すなど、「自分達の村= 生活県内」から追い出す事です。
 
●四国の一部では、虫を捕まえて竹筒入れて封をしたり、紙に包んで捨てる。という方法。
 
●田んぼの周辺やあぜ道を、火を灯した松明を持って歩いたり、鐘や太鼓を鳴らしながら練り歩きます。
 
●災いを身代わりしてくれる、藁で作った人形を焼いたり川に流したりして、浄化する儀式を行う。
 

重要無形文化財や伝統行事が行われている場所は?

奈良県天理市、島根県鹿子原、埼玉県越谷市、横浜市南山田の虫送り、愛知県の尾張の虫送り(祖父江の虫送り)、香川県小豆郡の虫送りなどで行われています。
 

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虫送りの歴史!サネモリサマとは?

サネモリサマ送りという呼び方があります。この「サネモリサマ」とは何のこと?と思いませんか?
 

サネモリサマ= 実盛様とは?

藁でできた人形を、担いで回ったり馬で運んだりします。これらの行事の起源には二つの説がありますが、共通しているのは、サネモリサマとは斎藤実盛という事です。
 
この斎藤実盛が木曾義仲と平家の合戦で打ち取られます。打たれた原因が、馬が稲株につまずいて転倒したところを襲われて討ち死にしました。
 
●この無念の死を遂げた実盛の霊が、害虫となって稲を襲おうのを防ぐために祀るという説。
●実盛という読み方が、稲の実(さね)を守る(もる)と通じる所から稲を守る霊として祀るからという説。
 
定説はハッキリしていませんが、これも地域差があります。いずれにしても、斎藤実盛が元になっていることは確かなようです。
 
 

最期に一言

色々な説や起源がありましたが、虫を追い払うのが目的で、稲作文化の伝統行事が虫送りです。季節は春の地域は豊作祈願、初夏の地域はウンカを追い払う行事、秋の地域はイナゴを追い払う行事が起源になっているからです。それでは、ご自身の地域の伝統行事、「虫送り」の時期を調べて参加してみてはいかがでしょうか。
 
 

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